
築約50年の集合住宅をフルリノベーション。
ご家族の生活の中心という、リビング中心の間取りに再構築しました。
和室を撤去して家族のフリースペースへ変更、ウォークインクローゼット(WIC)の新設、玄関収納、インナーサッシの設置や壁・天井への断熱材使用など断熱性を向上させています。暮らしやすさと快適性を両立した設計です。
お客様の思い入れあるLDK入口脇の物入を再利用し、空間の中に心あたたまるポイントとして活かされています。
施工データ
地域:川崎市宮前区
築年:1971年
構造:RC
施工箇所:全面リノベーション
形態:マンションリフォーム
施工期間:約2ヶ月
暮らしに合わせて変化する多目的フリースペース
もともと2つの和室だった空間をつなげ一室に。
家族のライフスタイルに合わせて使えるフリースペースへと再構築しました。
ロールスクリーンを平行に二箇所設置し、入口側を800mm、窓側を2290mmとすることで、空間を最大3つのスペースに分けられる設計です。
入口側の800mm幅は通路としても活用でき、生活動線にも配慮しています。
4枚のロールスクリーンを組み合わせ、子供部屋、収納部屋、趣味部屋など、家族の暮らしや用途に合わせて柔軟に使い分けができます。
壁一面に造作した可動棚付きの収納は、デスクとしてはもちろん、多機能に活用できる可変設計です。
用途や動線を考慮し、丁寧に寸法や材料を計画しています。
例えば、必要に応じて後から引出収納を追加すれば、本棚やデスクが収納としても機能するなど、用途に合わせてフレキシブルに活用できる設計です。





眠るときもペットと一緒に
ベッドルームを兼ねている洋室には、ワンちゃんも一緒に休めるスペースを計画。
ペット用ゲージサイズで計画した壁幅にぴったり納まり、空間をすっきりと見せます。
ワンちゃんのスリーピングエリア上には、可動棚を設置しており関連用品を収納できます。


思い出の収納
お打ち合わせの中で生まれた「思い出を残したい」というお客様の想いを叶えるため、LDK入口脇の物入のみ既存を再利用しました。
扉は一度取り外して丁寧にメンテナンスを行い、再度取り付け。「思い出を受け継ぐ」あたたかさを感じる、サステナブルなリノベーションとなりました。

生活動線に配慮した洗面台の移設
家事や身支度がしやすく、帰宅時はすぐに手洗いを行え、家族が入浴中でも使用できるよう、洗面台を脱衣所から移設。寝室(洋室)やリビングからもアクセスしやすい場所のため、起床から就寝までの動線がスムーズです。
シンク下にはペット(ワンちゃん)のトイレを置くため、フロートタイプを計画。すっきりと収まる上、衛生管理もしやすくなります。


脱衣所は室内干しスペースとしても活用
浴室横の脱衣所は、室内干しができるランドリースペースとして計画。
サーキュレーターを置けるスペースを確保し、日々の洗濯が快適に行えるよう工夫しています。


収納の工夫
玄関には有孔ボードを設置し、バッグや帽子を壁掛けできる壁面収納に。
見せる収納として空間のアクセントにもなっています。


出入りのしやすさを重視し、ウォークインクローゼットの入口にはロールスクリーンを採用。
普段は開け放して使い、来客時のみ目隠しできるフレキシブルな仕様です。
設計メモ / コ型に計画したウォークインクローゼット
・動線上の有効開口を確保するため扉を設けず、ロールスクリーンで仕切り開放感と使い勝手を両立しています。


ハイドアで統一感と広がりを
各部屋の建具には、天井まで高さのあるハイドアを採用。
梁の存在を感じさせないラインの整ったデザインで、空間全体に統一感と広がりをもたらしました。
ぐっとスタイリッシュで洗練された印象に仕上げています。




小さなギャラリーがあるトイレ
トイレには、ちょっとしたギャラリーを楽しめる薄型ニッチを設置。
思い出の写真や、お子様が描かれた絵を飾るなど、暮らしに彩りを添える空間となっています。
設計メモ / 壁の圧迫感を軽減
・洗面台を壁排水としたことで通常より生じた壁厚を、トイレ側では薄型ニッチとして活用。
構造上の厚みをデザイン要素に変え、限られた空間に奥行きと遊び心を添えました。


PLAN



























