バブルの頃、私はホンダのディーラーでメカニックをしていました。
エンジン音、工具の手触り、オイルの匂い・・青春だったなぁ。。。
今現在もきっとそうなのでしょうが、あの時代のホンダは、「世界に誇れる技術」を持った会社でした。
営業スタッフが、お客様の前で誇らしげに語っていたのを今でも覚えています。
「うちの車のエンジンは、F1の技術をフィードバックした世界一の性能です!」
その言葉に、整備士として心が震えたものです。
・・・
さて、やがて私はリフォーム業界へと転職しました。(笑)
最初に感じたのは、「この業界はなんていい加減なんだろう・・」という驚きでした。
当時はバブル経済の真っ只中であり、仕事は山ほどあり、技術よりスピード、誠実さより利益が優先される。〝にわか職人〟でも仕事が取れるほどの、異常な好景気だったのです。
今、リフォーム会社を経営していて改めて痛感しています。バブル期に建てられた建物には、本当に手抜き工事が多い・・
断熱材が入っていなかったり、おさまりがいい加減だったり、目に見えない部分での欠陥は、数え切れないほどあります。それでも当時は、「早く建てれば勝ち」「完成すればOK」という風潮であり、技術は二の次・・結果として、30年以上経った今、私達がその〝後始末〟をしている訳です。
私は、ホンダが大切にしてきた「いいものをつくる」という哲学は、どんな時代にも、どんな業界にも通じる真理だと思っています。それは決して時代遅れの言葉ではないはずです。
整備士時代に感じた、あの「誇り」を、今度は建築士として、また、リフォーム会社の経営者として感じながら、30年以上この住宅リフォーム業界に携わってきました。
「マツドリフォームに頼めば間違いないよ。あそこは〝誇りを持った会社〟だから」と、お客様から言われるようになるには、壁の中、床の下、天井裏・・お客様が見いないところまで手を抜かないことが重要だと思っています。
「見えないところにこそ誠実さが宿る」
それは正に、「ホンダスピリット」そのものです。
私がホンダで学んだのは、技術というより哲学だったのかもしれません・・「いいものをつくる」という信念が、人を動かし、会社を育て、社会から尊敬される。
「私達は、この街で一番〝いい仕事〟をしています!」
お客様の前で胸を張って堂々と言える会社にすること・・
これが私の生きがいです。
代表取締役 松戸 明
































