日本の建物では、「切妻妻入り」が、権威の象徴とされており、正面から大屋根を仰ぎ見るその姿は威厳と格式を示すものです。
しかし伊勢神宮は、あえて「切妻平入り」という素朴な姿を貫いています。古代の穀倉の形にこだわり、飾らず、清らかに、二千年の時を超えて尊い存在であり続けています。
謙虚に変わらぬ原点を貫いていくことだけが伝統となり、唯一無二の存在になれる秘訣なのではないだろうか?
そう考えると、形にこだわる「妻入り」ではなく、「平入り」の姿にこそ、私達が学ぶべき真理があるのではないかと思うのです。
代表取締役 松戸 明