私は独立した当初、仕事のほとんどが下請けでした。
正確に言えば、仕事の9割が下請け、元受けとしてエンドユーザーを相手にした仕事は1割ほどしかありませんでした。
BtoBの世界では、元受けの社員の言葉が全てです。どんなに現場を知っていても、どんなに正しいことを言っても、最終判断は現場に来ない人間が下します。
コストを抑えるために、納得出来ないやり方を求められることもありました。今では信じられませんが、当時はそれが当たり前のように行われていたのです。
金のために魂を売っている自分・・
自分自身が嫌になったものです。
「お前らのような下請けはいくらでもあるから・・」
文字通りの言葉を、上から投げつけられたことも一度や二度ではありません。
無理な工期、無理な要求、それを断れば仕事がなくなる・・自分を押し殺しながら仕事を続けていた結果、34歳の時、私は心筋梗塞を起こしました。
病院で医師から言われた言葉を、今でもはっきり覚えています。
「あと1時間遅れていたら、命が危なかったですよ」と。
手術を終え、約1か月後に会社へ戻りました。
そこには、今でも残ってくれている社員2名と、以前ブログで紹介したKという社員がいました。私はその場で、全ての元受け先に電話を入れ、下請けの仕事を全て止めました。
社員達は戸惑っていましたが、私は、はっきりとこう伝えました。
「今日から、エンドユーザーだけを相手に商売をする」と・・
あの決断がなければ、今のマツドリフォームはありません。
決して楽な道ではありませんでしたが、毎日、胸を張って仕事が出来るようになりました。
誰のために工事をしているのか?
何のためにこの仕事をしているのか?
人間は方向を見失った時に一番苦しい・・それを見失わずに済むようになったのです。
こういう経緯もあり、当社では、職人さん一人ひとりを協力業者として登録し、上下のない「同じ志を持つ仲間」としてお付き合いをしています。
建築業界に蔓延るくだらない序列などクソくらえです。
当社の社員は、現場では技術的な相談もしますし、雑談もします。趣味を共有することもあります。そうした関係性の中だからこそ「良い仕事をしてお客様に喜んでもらいたい」という真っ直ぐな気持ちが双方に宿るのだと思っています。
私は、仕事とは「生き様」そのものだと思っています。
既存の社員や協力業者様には、かつて私が味わった、自分が納得の出来ない仕事は、絶対にしてほしくありません。
だから、これからもマツドリフォームは、人を尊重し、胸を張れる仕事だけを選び続けます。
当社の経営の目的である、「Win Winの創造」・・
つまり、「敬愛なる顧客の創造を通じ、マツドリフォームで働く者すべてが幸せになる」を、実現するために。
代表取締役 松戸 明
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