先月の末にも福島沖で震度5の地震があり、その後の津波の発生について心配しました。日本国内でも頻繁に地震が起きていますが、世界的にも多く発生しているように思います。やはり、地球が活動期に入っているということなのでしょうか?
先日、木造住宅の耐震診断を行いました。
築年数は、約38年の旧耐震基準(昭和56年以前)の建物ですが、この頃建てられた建物は、当時の建築基準により、どうしても現行の耐震基準には満たない家が多いのは否めません。
屋根裏の写真です。柱、梁、火打ち、筋交いなどの構造材を写しています。
この当時の建物の特徴ですが、構造材同士のつなぎ方法が、ほぞ入れ(片側の木材に穴を掘り、もう片側の木材に突起を作り、差し込んで留める方法)、または釘打ちです。それでは、大きな地震の揺れに耐えきれません・・・。
上の写真のように、構造材同士のつなぎ部分の強度が極端に不足していることが何より一番危険な原因です。
実際にこの当時の家を震度7で揺らした実験を行っていますが、その実験では、発生から約8秒で家の1階部分がつぶれてしまいました・・・
8秒でです!
これでは逃げようにも逃げる時間がありません。木造住宅は大地震に備えて補強して、きちんと定期的に修繕していれば100年でも住めると私は思います。それほどの高い技術で建てられています。
継手や仕口(木材同士をつなぐ技法)の技術など見ていると本当に見事なものです。釘やねじを1本も使わないで固定されています。このような技術は特別なことではなく、普通の住宅でも使われていますが、日本の伝統技術を大切にしていきたいものです。