先日、「熊本城の修復プロジェクト」がテレビで放映されており、ついつい見入ってしまいました。熊本城の修復は、私達が従事するリフォーム業界にとっても大きな学びのある取り組みですので、今日は、是非そのことについて書かせてください。
2016年の熊本地震で大きな被害を受けた熊本城・・天守閣や石垣が崩れ、その壮麗な姿が無残にも崩れ去りました。しかし、あれから数年が経ち、全国から集まった職人たちの手で少しずつ復旧が進んでいるそうです。そして、その修復過程を見ていると、昔の職人技がどれほど卓越していたかが垣間見えます。
熊本城の特徴といえば、武者返しと呼ばれる反り返った石垣です。この石垣が地震にも耐えうるように工夫されていたことが改めて証明されました。石垣の一つ一つが絶妙なバランスで積み上げられ、その組み合わせが強靭な構造を作り出していたのです。
現代の技術をもってしても、昔の技法を完全に再現することが難しいというのが現場の声。正に先人たちの知恵と技が生きている証だと感じました。
熊本城の修復では、最新の技術と伝統技法を融合させています。例えば、3Dを使って崩れた石の配置をデジタル記録し、元通りに戻すための設計を行うといった方法です。しかし、いくらデジタル技術があっても、最終的にその石を積むのは熟練の職人な訳で、ひとつひとつ手作業で行うため、技術の継承と若手育成が大きな課題となっているようです。
熊本城の修復から学ぶべき点は、技術だけでなく、知恵をどのように次世代に受け継ぐかという部分です。かつての職人たちは、地域の素材を最大限に活用し、自然の力を生かして耐久性を高めていました。現代においても、無垢材や漆喰、自然石などを使ったリフォームに取り組むことで、環境に優しく長持ちする家づくりを目指せるはずです。また、下地処理や構造補強を怠らず、見えない部分までしっかり施工することが重要だと改めて感じた次第です。
そして、熊本城の修復を見て思うのは、職人たちの誇りと技術が今も生き続けているということです。時代は変わっても、技術へのこだわりや丁寧な仕事が人々に感動を与えることに変わりはありません。熊本城が再びその雄姿を取り戻す日を楽しみにしながら、私達も「住宅リフォームを通じて感動を届ける」ことを目指して、日々努力していかねばと痛感しました。
代表取締役 松戸 明
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