先日、NHKで放映された番組を見て,カール・ラーション、スウェーデンの暮らしを芸術に変えた画家展に行ってまいりました。 (日曜美術館を見ると、つい出かけたくなってしまいます。)
ラーションの絵画だけではなく、妻カーリンの手仕事によるタペストリーやクッションカバーの展示の紹介も番組中にあったせいか、当日は女性の来館者が目立ちました。
家族をモデルとした、家の中の様子を描いた水彩画はインテリア雑誌のよう。当時は、貧しい住環境が当たり前だったスウェーデンで、ラーションのその画集はベストセラーとなり、後の北欧インテリアの礎になりました。
産業革命により量産される機械製品を嫌い、人の手による工芸の見直しを提唱したイギリスのアーツ&クラフツ運動。その流れにラーションも影響され、妻のカーリンと共に家の増築、家具、ファブリック、食器に至るまで暮らしと生活に密着したもののデザイン、製作に本業の画業と共に勤しみます。
昔から北欧のインテリアは北欧モダン、北欧スタイル、と呼ばれ、日本でも人気がありました。時を経ても、新しさと、温もりの両方を併せ持つ魅力が若いファンを作り、私のような古いファンを離さないのかもしれません。
カーリンの作品からは、楽しみながら制作をしていた様子がありありと伝わります。自由で生き生きとした図案と配色は、見る者に喜びと幸せを与えてくれる、素晴らしいものでした。
帰り際、「すっごくよかったわねぇ。」 と話していたミドルエイジの女性二人組。 私も、「本当に!」と小さく相槌を打ちました。