住宅の内装リフォームを行うとき、おしゃれな演出や機能的な空間づくりにおいて、「ふかし壁」という手法を用いることがあります。
しかし、「ふかし壁」とはどのような壁のことをいうのか、またどのようなことが行えるのか、よくわからない人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、内装リフォームにおける「ふかし壁」について、具体的にどのような使い方ができるのか、詳しく解説いたします。
そもそもふかし壁とは?
ふかし壁とは、既存の仕上げ面よりも一定程度前に出し、壁に厚みをもたせる手法のことをいいます。
ふかし壁は、既存の壁に対し、厚みのある仕上げ材を重ねて貼ったり、あるいは下地をつくってさらに壁を追加したりすることにより設けています。
このようにして生まれた奥行きを利用し、デザイン性や機能性をもたせた空間設計を行えることが大きな特徴です。
ふかし壁で、何ができるの?
ふかし壁を設けることで、さまざまなことが行えるようになります。
ふかし壁で何ができるのか、その代表的なものをご紹介いたします。
ニッチスペースをつくれる
ふかし壁を設けると、ニッチスペースをつくり、収納やディスプレイとして活用できるようになります。
ニッチとは、厚みのある壁を利用し、その一部にくぼみをつくることにより、棚のような使い方ができるスペースのこといいます。
玄関やトイレ、寝室の飾り棚として、またリビングのテレビ台や収納としてなど、多用途に使えることが魅力です。
また、奥行きを活かして間接照明を設置すると、やわらかく、落ち着きのある雰囲気とともに、おしゃれな空間演出も可能になります。
柱や梁の段差を解消できる
ふかし壁を設けると、柱や梁があることで生じる段差を解消し、フラットな壁や天井をつくれます。
柱や梁などが、壁のラインよりも出っ張る場合、その形状が残ったまま部屋の中に段差が生じてしまうことがあります。
しかし、柱や梁の仕上げ面に合わせてふかし壁を設けると、段差のないフラットな状態をつくれるようになるのです。
室内は若干狭くなるものの、ニッチを設ければ空間の有効活用も可能であり、なんといってもすっきりときれいにおさめられます。
配線を隠せる
ふかし壁を設けると、乱雑になりやすい配線などを壁の中に隠せるようになります。
テレビやその他AV機器などを設置するとき、多くの配線を接続しなくてはなりません。
しかし、ふかし壁を設けて、その裏側に配線を隠しておけば、見た目にもすっきりとし、また接続も簡単に行えるようになります。
さらに、テレビスペースに間接照明を組み合わせると、それだけでホテルライクなおしゃれ空間をつくれます。
まとめ
ふかし壁は、室内空間のデザイン性や機能性を高めるうえで、非常に効果的な手法となります。
ちょっとした収納が欲しい場合や小物をおしゃれにディスプレイしたい場合など、ふかし壁を設けることで、インテリアの幅も広がるでしょう。
▼おすすめの関連記事
スタッフブログ「職人今昔物語」