私が独立して間もない頃は、当然まだ仕事は多くありませんでした・・それを知ってか知らずか、当時仲の良かった職人のTは、私を現場の手伝いに誘ってくれたのでした。
都内の建築会社の現場でしたが、驚くほどきれいな現場だったことを今でもハッキリと覚えています。材料がきちんと整頓され、何とゴミ一つ落ちていなかったのです。
そして、翌日もその現場に行くと、前日まで一緒に作業していた電気屋さんの姿がありません・・他の職人に理由を尋ねると、「配線のビニールを剝いた後、それを片付けていなかった。それを元請けの社長に見つかり、即座に仕事を切られた」というではありませんか・・更に職人の話によると、その建築会社はとても儲かっているとのことでした。
私は「何て厳しい会社なのだろう」と思うのと同時に、凡事を徹底する会社こそが結果を出すということをそこで初めて知るのでした。
さて、この経験を通じて、「きれいな現場」という考え方は、私自身の現場に対する指針になったことは言うまでもありません。現場はお客様にとっては家そのものであり、職人にとってはステージです。住まいをつくる現場は、ただの作業場ではなく、お客様の夢や期待が詰まった神聖な空間です。だから現場をきれいに美しく整えることは、言わば当たり前の行為なのです。
これは単なる見た目の問題ではなく、仕事に対する心の表れです。
今では、この精神を引き継ぎ、「仕事場・現場は常にきれいな状態を保つこと」を掲げ、弊社の運営方針として全社員が共有しています。
どんなに忙しい時でも、仕事の「型」を崩さない・・この姿勢こそが信頼を得る礎であり、私達が目指す、「地域No.1リフォーム会社」への道だと信じています。
代表取締役 松戸 明