先日、平成10年に建てられた(築15年)の木造住宅の耐震診断を行いました。
一般的に新耐震基準と呼ばれる建築基準法の改正は、 昭和56年(1981年)に行われました。それにより、それ以降の建物はほぼ安全と言われており、 公的な耐震補強の助成金制度の対象から外されています。
今回、実際に耐震診断を行った結果、 評価点は、0.69点でした。これは耐震診断の評価としては、『大地震において、倒壊する可能性が高い』となります。
実は、このような例は別段特別なのとではなく頻繁に診られる状況です。
実際に、新耐震基準で建てられているはずの昭和57年以降の建物いおいて耐震基準を満たしていない建物は、約83%を超えるとの公表されています。
基礎は、20㎝間隔にきちんと鉄筋が入っています。 土間面もしっかりとコンクリートが打たれていて、きれいでした。残念なのは、梁、柱、筋交いなどの構造部材同士の接合を釘のみで行っている点です。
釘だけの強度では、大地震の衝撃には力不足で耐えることが難しいでしょう。建物重要な部材同士が外れてばらばらになってしまい、建物が耐え切れず倒壊する可能性が高い状況です。
釘による柱と筋交いの固定
現在では、構造部材同士の接合は、金属プレートなどで行っています。そのプレートも、『日本防災協会認定』の製品のみを使用します。
こちらの建物の場合、築後2年後の平成12年には、阪神淡路大震災の被害状況を加味され、建築基準法が大幅に改正されました。その後の建物についての安全性は、飛躍的に高くなりました。建てられたのが2年遅ければ・・・。と思うと大変残念です・・・、
新しそうだからと、容易に安心できない場合がありますので、よく注意してくださいね。