リバースモーゲージのメリットとデメリット(3大リスク)

本稿では、リバースモーゲージのメリットとデメリット(3大リスク)をご紹介します。老後の生活費やリフォーム資金用にリバースモーゲージの利用を検討されている方は、最後までご覧ください。

老後の資金不足が社会問題になる中で、資金調達方法のひとつとしてリバースモーゲージが注目を集めています。ですが、インターネットで調べると「やばい」や「闇が深い」といった不安になる言葉が目に付きます。

とは言え、本当にそんなに危険なものなのでしょうか?こいうものは正しくリスクを把握することが大切で、楽観も過度の懐疑もよくないでしょう。本稿で、長所や短所の理解から初めてみませんか?

リバースモーゲージとは?

早速、リバースモーゲージの長所と短所をご紹介したいと思います。ですがその前に、そもそもリバースモーゲージとは何なのか、概要をご紹介しておきましょう。

リバースモーゲージの意味を一言で表すなら「シニア世代向けのローン商品」です。自宅を担保にして融資が受けられるので、年金以外の収入がない高齢者でも利用できるようになっています。

では、同じく自宅を担保にして融資を受ける「住宅ローン」となにが違うのでしょうか?カンタンにご説明しましょう。

・住宅ローン:最初に一括で借り入れをおこない、その元本と利息を毎月少しずつ返済
・リバースモーゲージ:融資限度枠内で少しずつ借り入れをおこない、最後に一括返済

住宅ローンは一括で借り入れ、返済する度に元金が減っていき、完済で契約終了となります。一方リバースモーゲージは、自宅の評価額から算出した融資限度枠内で都度借り入れを行い、最後に一括で返済して契約終了となります。

少しずつ元金と利息が減る住宅ローンに対して、リバースモーゲージは徐々に元金と利息が増えていくので「リバース=逆」と呼ばれるのです。このリバースモーゲージには、借りたお金の主な返済方法が2つあります。

1.担保の自宅を売却して一括返済する
2.自己資金で返済する

リバースモーゲージは、契約終了時、または契約者(債務者)がお亡くなりになったときに、上述の方法で元本をまとめて返済します。どちらかと言うと1の方法が前面に押し出されている印象ですが、意外と2で返済される方も多いようです。

参考:家にはずっと住み続けられる? リバースモーゲージのQ&A

利用期間中は利息の返済のみ (利払いあり型)、あるいはローン商品によっては利息の返済も要りません (利払いなし型)。ですから、住宅ローンに比べて利用者の返済の負担は少ないと言えるでしょう。

リバースモーゲージのメリット

それでは本題です。リバースモーゲージのメリットとデメリットをご紹介しましょう。まずはメリットを3つご紹介します。

高齢者が住み続けながら利用できる

リバースモーゲージが他のローン商品と大きく異なるのは、高齢者でも利用できる点でしょう。

例えばご自宅に大規模な修繕が必要になったとしても、年金以外の収入がない高齢者は一般的なローンが借りられません。自己資金がない場合は、自宅を売って家賃が安い賃貸住宅に引っ越すくらいしか方法がなさそうです。

そんなときに便利なのが、リバースモーゲージです。これを利用すると、自宅に住み続けながら修繕資金の調達が可能になります。月々の返済は利息のみですから、一般的なリフォームローンに比べて家計への負担も軽く済むでしょう。

月々の返済が少ない

先述のとおり、リバースモーゲージの月々の返済は利息分のみです。中には利息の支払いも要らない(利息分も、最後に一括で返済する)ローン商品もあります。

例えば定年後も住宅ローンの残債がたくさん残ってしまった場合、リバースモーゲージに借り換えることで月々の返済額を抑えられるケースもあります。

親の介護費用や空き家問題の解決に結びつく

子の方から見たメリットもご紹介しましょう。例えば、遠方に別居されていて実家を相続して住むつもりがないお子様が、親御様にリバースモーゲージを勧められるケースがあります。

親御様の介護費用が心細いとき、リバースモーゲージを使えばご実家を手放すことなく、資金調達できます。調達した資金を使って、修繕やバリアフリーリフォームをすることも可能です。

しっかりメンテナンスされた住宅は、そうでない住宅より売却がしやすくなります。親御様がお亡くなりになったときに実家を売却して返済にあてれば、空き家のまま放置するような事態も避けられます。

リバースモーゲージのデメリット(3大リスク)と問題点

リバースモーゲージは有用である反面、短所もあります。とくにご注意いただきたいのは「3大リスク」と呼ばれる以下の3つのリスクです。

・金利上昇リスク
・担保評価下落リスク
・長生きリスク

上述の3大リスクについて詳しく解説したあと、その他の問題点もご紹介しましょう。

金利上昇リスク

リバースモーゲージの多くは、変動金利制を採用しています。変動金利は固定金利より利率が低い反面、契約期間中に上昇してしまうリスクもあります。では、金利が上昇するとなにが起こるのでしょうか?

リバースモーゲージの金利が上昇すると、月々支払う利息が増えます (月々の利払いあり型)。当初の想定より融資上限額が下がってしまう場合もあります (月々の利払いなし型)。

とは言え、変動金利を採用しているローン商品はたくさんあります。住宅ローンも基本的には変動金利で、特約で一定期間の金利を固定します (その間は金利が上がる)。ですから、これはリバースモーゲージに限ったリスクではありません。

担保評価下落リスク

リバースモーゲージの融資上限額は自宅の担保評価額に応じて決まり、この担保評価額は基本的に毎年見直されます。その際、想定外に自宅の不動産価値が下がると、それに応じて融資限度額も下がってしまいます。

融資限度額が下がった際に、万が一借入残高が融資限度額を上回ってしまったらどうなるのでしょうか?この場合は、超過分を返済しなければなりません。それができるだけの手元資金がないようなら、ご存命中でも自宅を売却することになります。

とは言え、このリスクは現実的にはあまり起こらないでしょう。そんなことが起こらないように、金融機関は将来の価格変動リスクをふまえ融資限度額を設定しています。さらに、年に一度は担保不動産の評価を見直しています。

長生きリスク

長生きがリスクになるとは衝撃的ですが、想定より長生きすると、存命中にリバースモーゲージの融資限度額を使い切ってしまいます。そうなると融資が途絶え、支払い利息だけが増え続けることになります。

さらに、融資枠いっぱいまで借り切ってしまうと、不動産評価を見直すときに借入残高が借入限度額を上回ってしまうことも考えられます。そうなると、超過分を返済しなければならず、手元資金がない場合はご存命中でも自宅を売却せざるを得ません。

なお、金融機関は限度額を土地評価額の50〜70%程度に抑え、少し余裕を持たせています。自宅を売却した際は、いくらか手元に残るケースが多いと思われます。

その他の問題点

リバースモーゲージの3大リスクをご紹介しました。ひきつづき、その他の問題点を6つご紹介します。利用を考えておられる方は、以下もふまえてご検討ください。

子どもに自宅を残せない

リバースモーゲージで借りたお金は、契約者がお亡くなりになったとき、担保の自宅を売却して一括返済します。この返済方法を取る場合は、子どもに自宅を残せません。

さらに、多くの金融機関では、子どもと同居している場合も利用を認めていません。利用できるのは、高齢者の一人暮らしか、高齢夫婦の二人暮らしです。推定相続人であるお子様から承諾が得られていない場合も、リバースモーゲージは使えません。

ちなみに、相続人が相続財産や自己資金で完済すれば、自宅は手元に残ります。

配偶者リスク

契約者本人がお亡くなりになったとき、多くのリバースモーゲージでは、配偶者が借り入れを引継ぎそのまま自宅に住み続けられる仕組みがあります。

ただし、引継ぎには条件や審査があります。ですから、必ずしも引き継げるというわけではありません。残された配偶者の継続居住を認めない金融機関もあるようです。

地域や物件が限られる

リバースモーゲージは最後に自宅を売却して返済にあてる仕組み上、利用できるのは地価が高く下落リスクが低い物件に限られます。大都市圏、かつ敷地の権利が「所有権」の一戸建てのみを対象としているケースもあります (借地権は対象外)。

評価額の要件も高めです。たとえば「銀行の担保評価額が1,000万円以上の一戸建て、または2,000万円以上のマンション」といった基準が設けられていて、実質的に地価が高いエリアか郊外の大敷地意外は利用が難しい状況です。

ちなみにマンションは土地が共同所有になるため、担保対象にできない金融機関もあります。

資金使途を限定している金融機関がある

多くの金融機関は、リバースモーゲージで得た資金の使い道を限定しています。「原則自由」としながらも、事業や投資には使えないケースがほとんどです。

担保評価が低い

リバースモーゲージは、主に土地の評価額を参考に貸し出し上限額を決めています。建物はあまり考慮されず、先述のとおりマンションに至っては対象外にしている金融機関も多くあります。

さらに、一般的に「長生きリスク」と呼ばれるリスクを考慮して、担保となる不動産の評価を低く見積もっています (実際の50~70%程度)。よって借入限度額も低めになるので、債務者に有効な貸し出しができないケースもあります。

ですから今のところ、地方銀行を中心に取り扱いに対して消極的な金融機関が多い印象です。海外では、国が関与することで活性化させている例もあります。

元金が減らない

住宅ローンをはじめ多くのローンでは、最初にまとまったお金を借り、月々「元金+利息」を返済します。元金が少しずつ減っていくので、利息も少しずつ減っていきます。この方式は、返済している実感が湧きやすいでしょう。

いっぽう、リバースモーゲージは元金が少しずつ増えていき、支払う利息も少しずつ増えていきます。ですから、元金が減っていくタイプのローンに比べて精神的な負担を感じる方がおられるかもしれません。

リバースモーゲージ利用の注意点

最後に、リバースモーゲージを利用する際の注意点をご紹介して終わりたいと思います。以下の3つを心に留めておいていただくとよいでしょう。

・正しく恐れ、過度に心配しない
・ご家族とよく話しあって決断する
・リバースモーゲージ以外の資金調達方法も検討する

順番に、もう少し細く説明しておきましょう。

正しく恐れ、過度に心配しない

ローンを利用する際は、その商品がどういうものなのかシッカリ把握することが大切です。インターネットで調べると極端にネガティブな意見が多いので、取捨選択や過度に心配しない姿勢も必要です。

基本的に、ローンの貸し出しにあたって金融機関は「貸し倒れ」にならないように審査しています。常識的な金利上昇や地価下落は織り込んでいます。ですから、審査を通ればそれは金融機関が「ちゃんと完済可能」と見なしたということです。

想定している契約終了年齢までの元金と利息の推移も把握しておきましょう。更新しながらいつでも確認できる状態にしておくことで、不安を軽減できます。

ご家族とよく話し合って決断する

先述のとおり、リバースモーゲージは自宅の売却による完済を想定したローン商品です。ですから配偶者やお子様など、推定相続人の同意なくして利用を進めることはできません。

自宅の相続に関係するご家族みな様にメリットやデメリット、問題点をしっかり伝え、よく話しあい合意を得てから利用するようにしましょう。ここを曖昧にすると、後日の禍根になりかねません。

リバースモーゲージ以外の資金調達方法も検討する

場合によってはリバースモーゲージ意外の資金調達方法のほうが良いケースもあるでしょう。他の方法についても検討した上で、自分やご家族にとってより良い選択をしましょう。

例えば、あなたにとってはこんな方法のほうが良いかもしれません。

・売却して引っ越す
・不動産担保ローンで融資を受ける
・リースバックで自宅を売却したあとも住み続ける

状況によっては、生前に売却してまとまった資金を得るほうがいいケースもあるでしょう。自宅を売却して得た資金で生活コストが安い地域や高齢者向け賃貸住宅に引っ越すことも検討してみましょう。

年金以外に収入がある方は、不動産担保ローンで融資を受けるのもひとつの方法です。中にはリバースモーゲージより金利が低い商品があるかもしれません。借りたローンを完済すれば、自宅を売却する必要もありません。

リースバックは、ファイナンス会社や不動産仲介会社が取り扱っているリース取引の一種です。自宅を売却することになりますが、そのまま賃貸として住み続けることが可能です。選択肢のひとつとして、持っておくとよいでしょう。

【まとめ】リバースモーゲージのメリットとデメリット

老後の生活費やリフォーム資金の調達方法のひとつとして、リバースモーゲージが注目されています。とは言え、リバースモーゲージは有用である反面、短所や注意点があります。

特に「3大リスク」と呼ばれる金利上昇リスク・担保評価下落リスク・長生きリスクについてはよく理解してから利用すべきでしょう。配偶者やお子様のご同意も欠かせません。

他にも、持ち家を利用した資金調達方法がいくつかあります。それらも候補に加え、自分にとってどの方法による資金調達が一番いいのか、慎重にご検討ください。

なお、弊社は神奈川県川崎市にてリフォームや中古物件探しのお手伝いをしております。詳しくはこちらでご説明しておりますので、ご興味ある方はご覧ください。
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