先日、9月に起きた札幌地震を体験した方と話をする機会がありました。
「札幌市の中心はさほど被害はなかったのですが、郊外は停電や液状化でまだまだ大変な状況です。」と話してくれました。家が斜めになり、道路が波うち、平衡感覚がおかしくなる。町全体が歪んでしまったかのような映像がニュースで伝えられたのは、記憶に新しいところです。
この液状化現象は、これまでのわが国の大地震でもたびたび発生しています。過去にも千葉市の浦安(東日本大震災)や神戸ポートアイランド(阪神淡路大震災)での被害が報告されています。
ここで、いま一度 液状化現象についておさらいをしておきましょう。
液状化現象とは、砂粒で構成された地盤の地震の衝撃で生じた隙間に、水が入り込んで砂粒が浮きあがった状態です。たとえれば、雨上がりの地面に、足で衝撃を与え続けると水が地表に出てきてびちゃびちゃになるようなイメージです。
この液状化現象のリスクを把握するために、川崎市はハザードマップを公開しています。
液状化現象は、埋立て地や海岸、多摩川周辺というイメージがありますが、実際にハザードマップをチェックしてみると、内陸部に位置する中原区も広域で危険度が高くなっていることがわかります。
古代(縄文時代頃)の中原区は海の中だったという土地の履歴(地歴)も、内陸部にありながら液状化リスクが高い要因の一つと考えられます。以前ため池や水田だったところを埋め立てた土地も液状化が発生しやすい地区です。さらに、矢上川という小さい河川の存在も同様です。
川崎区・中原区の他にも液状化リスクの高い地域が多い川崎市。ハザードマップや土地の履歴をチェックして、あなたのお住まいの液状化リスクを確認しましょう。