予算上限到達により、終了しました(2023年9月28日)
せっかくリフォームを実施するのであれば、できるだけお得にしたいものです。
お得にリフォームができる方法といえば、まず補助金制度が挙げられますが、2023年に利用できる主要なものに「こどもエコすまい支援事業」があります。
前年の2022年には、一定の条件を満たした新築住宅の建築や購入、あるいはリフォーム工事などに対する補助金制度「こどもみらい住宅支援事業」が多くの人に利用されました。
そして、この「こどもみらい住宅支援事業」に続く事業として、対象者や補助金額を大幅に拡大し、「こどもエコすまい支援事業」が利用できるようになります。
そこで今回は、2023年リフォームでお得に利用できる「こどもエコすまい支援事業」について、詳しく解説したいと思います。
なお、名称に「こども」とありますが、子育て世帯だけでなく、どのような世帯にも利用が可能となっているため、ぜひチェックしてみてください。
こどもエコすまい支援事業の概要について
こどもエコすまい支援事業は、優れた省エネ性能を有する注文住宅の新築や新築分譲住宅の購入、そして一定の条件を満たしたリフォームなどを対象とする補助金制度です。
こどもエコすまい支援事業について、とくにリフォームに関する内容を中心にご紹介いたします。
\ほぼ全員が対象!?/
対象となる世帯と補助金額
① 子育て世帯または若者夫婦世帯の場合
② その他の世帯(①以外のすべての世帯)
① 子育て世帯または若者夫婦世帯の場合
・所有する住宅で行うリフォーム:最大45万円
・中古住宅を購入して行うリフォーム:最大60万円
② その他の世帯(①以外のすべての世帯)
・所有する住宅で行うリフォーム:最大30万円
・安心R住宅を購入して行うリフォーム:最大45万円
なお、ここでいう子育て世帯とは、2022年4月1日時点で18歳未満の子どもがいる世帯をいい、若者夫婦世帯とは同時点で夫婦のいずれかが39歳以下の世帯のことをいいます。
また、安心R住宅とは、国土交通省が定めている一定の基準を満たした中古住宅のことです。
申請期限
こどもエコすまい支援事業の補助金申請は、リフォーム工事が完了した後に行えるようになります。
また、補助金の交付が見込まれるリフォーム工事に対しては、交付申請の予約をしておくことで、一定期間、その予定額を確保することも可能です。
なお、申請を行えるのは、国に事業者登録を済ませているリフォーム事業者であり、施主が自ら行える制度ではないことは注意しておかなければなりません。
こどもエコすまい支援事業の交付申請期間は、次の通りです。
マツドリフォームでは、申請のご相談を承ります。申請手続き自体は、受付が開始されてからとなります。
交付申請期間
2023年3月下旬~予算上限に達するまで
(遅くとも2023年12月31日まで)
交付申請の予約
2023年3月下旬~予算上限に達するまで
(遅くとも2023年11月30日まで)
こどもエコすまい支援事業の対象となるリフォーム工事
こどもエコすまい支援事業の対象となるのは、以下の通り、①~③の必須工事と④~⑧の任意工事に該当するリフォーム工事となります。
①~③の必須工事のみを行った場合はその工事が申請の対象となりますが、④~⑧の任意工事のみでは申請の対象とはなりません。
必須工事 |
補助金を申請するには、まず①~③の必須工事のうち、いずれかひとつ以上を行うことが条件となります。 |
① 開口部の断熱改修 ② 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 ③ エコ住宅設備の設置 |
任意工事 |
④~⑧の任意工事については、必須工事を行い、かつ、それと同時に行った場合に限り対象となります。 |
④ 子育て対応改修 ⑤ 防災性向上改修 ⑥ バリアフリー改修 ⑦ 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 ⑧ リフォーム瑕疵保険等への加入 |
【必須工事】① 開口部の断熱改修
開口部の断熱改修は、「省エネ基準レベル」と「ZEHレベル」の区分によって補助金額が異なります。
「ZEH(ゼッチ)」とは、net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、家庭で消費するエネルギー収支をゼロ以下にする住宅のことをいいます。
開口部の断熱改修の補助金の金額は以下の通りです。
✓ 省エネ基準レベル
ガラス交換 | |
大 | 9,000円/枚 |
中 | 6,000円/枚 |
小 | 3,000円/枚 |
内窓設置・外窓交換 | |
大 | 23,000円/箇所 |
中 | 18,000円/箇所 |
小 | 15,000円/箇所 |
ドア交換 | |
大 | 34,000円/箇所 |
小 | 30,000円/箇所 |
✓ ZEHレベル
ガラス交換 | |
大 | 12,000円/枚 |
中 | 9,000円/枚 |
小 | 3,000円/枚 |
内窓設置・外窓交換 | |
大 | 31,000円/箇所 |
中 | 24,000円/箇所 |
小 | 20,000円/箇所 |
ドア交換 | |
大 | 45,000円/箇所 |
小 | 40,000円/箇所 |
【必須工事】② 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
外壁、屋根・天井又は床の断熱改修は、「省エネ基準レベル」と「ZEHレベル」の区分によって補助金額が異なります。
外壁、屋根・天井又は床の断熱改修の補助金の金額は以下の通りです。
✓ 省エネ基準レベル
外壁 | 112,000円/戸 |
屋根・天井 | 40,000円/戸 |
床 | 69,000円/戸 |
✓ ZEHレベル
外壁 | 151,000円/戸 |
屋根・天井 | 54,000円/戸 |
床 | 92,000円/戸 |
【必須工事】③ エコ住宅設備の設置
エコ住宅設備の設置の補助金の金額は以下の通りです。
太陽熱利用システム | 27,000円/戸 |
高断熱浴槽 | 27,000円/戸 |
高効率給湯器 | 27,000円/戸 |
蓄電池 | 64,000円/戸 |
節水型トイレ(掃除しやすい機能を有するもの) | 20,000円/台 |
節水型トイレ(掃除しやすい機能を有するもの以外) | 19,000円/台 |
節湯水栓 | 5,000円/台 |
【任意工事】④ 子育て対応改修
子育て対応改修の補助金の金額は以下の通りです。
▼ 家事負担軽減に資する住宅設備
ビルトイン食器洗機 | 21,000円/戸 |
掃除しやすいレンジフード | 11,000円/戸 |
ビルトイン自動調理対応コンロ | 14,000円/戸 |
浴室乾燥機 | 21,000円/戸 |
宅配ボックス(住戸専用の場合) | 11,000円/戸 |
宅配ボックス(共用の場合) | 11,000円/ボックス |
▼ 防犯性の向上に資する開口部の改修
外窓交換 | |
大 | 34,000円/箇所 |
中 | 24,000円/箇所 |
小 | 20,000円/箇所 |
ドア交換 | |
大 | 49,000円/箇所 |
小 | 35,000円/箇所 |
▼ 生活騒音への配慮に資する開口部の改修
ガラス交換 | |
大 | 9,000円/枚 |
中 | 6,000円/枚 |
小 | 3,000円/枚 |
内窓設置・外窓交換 | |
大 | 23,000円/箇所 |
中 | 18,000円/箇所 |
小 | 15,000円/箇所 |
ドア交換 | |
大 | 34,000円/箇所 |
小 | 30,000円/箇所 |
▼ キッチンセットの交換を伴う対面化改修
キッチンセットの交換を伴う対面化改修 | 89,000円/戸 |
【任意工事】⑤ 防災性向上改修
防災性向上改修の補助金の金額は以下の通りです。
ガラス交換 | |
大 | 15,000円/枚 |
中 | 10,000円/枚 |
小 | 6,000円/枚 |
外窓交換 | |
大 | 37,000円/箇所 |
中 | 25,000円/箇所 |
小 | 15,000円/箇所 |
【任意工事】⑥ バリアフリー改修
バリアフリー改修の補助金の金額は以下の通りです。
手すりの設置 | 5,000円/戸 |
段差解消 | 6,000円/戸 |
廊下幅等の拡張 | 28,000円/戸 |
衝撃緩和畳の設置 | 18,000円/戸 |
【任意工事】⑦ 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
エアコンの冷房能力 3.6 kW 以上 | 25,000円/台 |
エアコンの冷房能力 2.2 kW 超〜 3.6kW 未満 | 22,000円/台 |
エアコンの冷房能力 2.2 kW 以下 | 19,000円/台 |
【任意工事】⑧ リフォーム瑕疵保険等への加入
リフォーム瑕疵保険等への加入 | 7,000円/契約 |
▼関連記事
》「リフォーム瑕疵(かし)担保責任保険の対象工事・対象外の工事」
》「JIOリフォームかし保険(リフォーム工事瑕疵担保責任保険)とは?」
併用申請できる3つの補助金制度
2023年に申請できるリフォームの補助金は、こどもエコすまい支援事業だけではありません。
こどもエコすまい支援事業を含む3つの補助金制度が連携しており、対象となるリフォーム工事を行った場合は、併用して申請できることが大きな特徴となっています。
これら3つの補助金制度とは以下の通りです。
ちなみに、これまでの補助金制度は、省庁が異なることから併用はできませんでした。
しかし、今回は、3省が連携強化することにより、ワンストップでの併用申請が可能となったのです。
なお、「先進的 窓リノベ事業」は、高性能な断熱窓へリフォームするときの補助金制度のことで、上限を200万円とし、内容に応じて定められている金額が補助されます。
「給湯省エネ事業」は、家庭用燃料電池(エネファーム)やヒートポンプ給湯機(エコキュート)などの高効率給湯器を導入するときの補助金制度のことで、内容に応じて定められている金額が補助されます。
ただし、同じリフォーム工事について、複数の補助金制度に重複して申請することはできません。
そのため、どの補助金制度に申請するのか、補助金額などを考慮して選ぶことがポイントとなります。
こどもエコすまい支援事業を利用するときの注意点
こどもエコすまい支援事業を利用すると、お得にリフォームを行えます。
しかし、いくつか注意しておきたいことがあるため、リフォームを考えている場合はあらかじめ理解しておくとよいでしょう。
こどもエコすまい支援事業を利用するときの注意点とは、以下の3つです。
ここは注意!
☑ 予算上限に達した段階で終了する
☑ 登録事業者しか補助金の申請ができない
☑ 補助金の合計が5万円未満では申請ができない
予算上限に達した段階で終了する
こどもエコすまい支援事業の申請期間は、2023年3月下旬 から2023年12月31日までとしています。
ただし、この期間中に予算上限に達した場合、その段階で受付は打ち切られることになっています。
つまり、補助金の件数が多く、早めに予算上限に達することがあると、対象のリフォームを行った場合でも申請ができなくなるということです。
ちなみに、前年に実施された「こどもみらい住宅支援事業」の場合、交付申請期間を2023年3月31日までとしていましたが、2022年11月28日に予算上限に達し、終了しています。
よって、こどもエコすまい支援事業を利用して、リフォームを検討している方は、できるだけ早めに実施することをおすすめいたします。
登録事業者しか補助金の申請ができない
こどもエコすまい支援事業は、リフォームを行った施主が自ら申請することはできません。
というのも、リフォームの補助金の申請は、あらかじめ国に事業者登録を済ませているリフォーム事業者しか行えないことになっているためです。
よって、こどもエコすまい支援事業を利用してリフォームを行う場合は、工事を依頼するリフォーム業者が事業者登録を行っていることを確認しておく必要があります。
なお、交付された補助金は、すべて施主に渡されることになっています。
補助金の合計が5万円未満では申請ができない
こどもエコすまい支援事業は、補助額の合計が5万円未満となる場合、補助の対象とならないことから申請も行えません。
そのため、こどもエコすまい支援事業を利用してリフォームを行う場合は、計画の段階で補助金額を算出し、その合計が5万円以上となることを確認しておくことが重要です。
いずれにせよ、補助金の申請は登録事業者しか行えないこともあり、あらかじめリフォーム業者に補助金の利用について相談しておくとよいでしょう。
まとめ
2023年は、こどもエコすまい支援事業を利用して、お得にリフォームを行うことが可能となります。
一定の条件を満たす必要はありますが、対象となるリフォーム工事を考えている世帯にとっては、非常に魅力的な内容となっています。
ただし、この制度は、予算が上限に達した段階で終了し、申請ができなくなってしまうことは注意が必要です。
よって、2023年にリフォームを検討している場合は、できるだけ早めに実施することをおすすめいたします。
最後に、主要メーカーが提供している、便利なサイトをご紹介いたします。
》パナソニック「こどもエコすまい支援事業」(公式サイト)
公式サイト内よりダウンロードができる「補助額計算シート(※クリックしますとExcelファイルがダウンロードされます)」は、Excelファイルのセルを埋めていく形式でシュミレーションができます。
》リクシル「こどもみらい住宅支援事業」(公式サイト)
質問に答えていく形式で、補助額算出シミュレーションができます。
▼おすすめの関連記事
スタッフブログ「住宅リフォーム事業者団体とは?」